【明昇(めいしょう)】
今、世界中で、命を育(はぐく)む豊かな土壌(多数のバクテリアが棲み物質循環と生産活動の基盤となる表土)が、どんどん失われています。
植物が育つ豊かな土壌は、もっとも条件の整った森林環境であっても、100年間に厚さ1cm程度しか増えないと言われています。
日本では、明治時代からの百年で、本来国土(37万平方キロ)に対して平均38cm程度存在した表層土壌が、17cmまで減ってしまったというデータが知られています。
本来豊かな熱帯林で覆われていた国々では、アブラヤシ農園などの開墾や、その他の乱開発、あるいは貧困のための焼き畑などのため、ものすごいスピードで森林が失われています。
環境白書(環境省)によれば、世界の森林面積は約40.3億ヘクタールで、全陸地面積の約31%を占めています。しかし、世界の森林は減少を続けており、毎年520万ヘクタールが減少しています(2000年から2010年までの平均)。
森が切り開かれ、畑などに転換されると、毎年の風雨などによって、土壌は減少していきます。農業生産、食糧確保などのために、もっとも大事な基盤であるはずの土壌は、短期的な経済理由のために、どんどん失う方向に進んでしまっています。
1994年に最初の特許が日本で取得(特許第2603202号)された新技術により、土の種類の中では「黒ボク土(くろぼくど)」と呼ばれる、火山性の天然土の中には、特殊な顆粒化製法によって、「生きた土の性質」をそのまま保持しながら、内部にバクテリアと同等の超微細多孔質構造をつくることが、可能になりました。
この技術(軟焼結土製法のひとつ)により、家庭でも農地でも森林再生事業地でも、自然をよみがえらせる、200種以上のバクテリアを共存させることが可能になり、豊かな土壌の再生が、初めて、可能になりました。
まず、私たちはこの新技術を、自然の力を必要とする生産農地の活性化のために普及したいと考え、供給と技術支援の母体となる組織として、この、soil.workを開設することにしました。
ひとりでも多くの、農業従事の方々、表土枯渇化から崖崩れ危険性が高まった災害地・災害危険地域の土壌回復、ご家庭でも楽しめる有機農法の普及など、土がよみがえることでお役に立つ機会に、ぜひ、この技術と製品を広め、社会に貢献していきたいと考えています。